
乗馬クラブクレインで乗馬ライセンス3級の取得を目指そうと考えたとき、期待よりも不安が先行してしまう方は多いのではないでしょうか。
馬場や障害といった種目の違いから始まり、試験の難易度や合格基準はどうなっているのか、経路を覚えるのが大変そうだなど、気になることは山のようにありますよね。
また、筆記試験に向けた過去問の有無や効果的な勉強法、さらには落ちる理由や万が一落ちた場合の対応についても事前に知っておきたいはずです。
費用の面でも、公式の料金だけでなくトータルの総額がいくらになるのかは、挑戦を決める上で非常に重要なポイントになります。
初めは分からないことだらけで戸惑うのも当然のことで、乗馬を愛する一人の人間として、私もたくさんの情報を集めては不安と期待を膨らませていました。
この記事では、クレインで乗馬ライセンス3級に挑戦する皆さんが抱える不安を解消できるよう、実技試験や筆記試験の対策から費用の目安までを分かりやすくまとめました。
この記事を読むことで、試験に向けた具体的なステップが明確になり、自信を持ってライセンス取得への第一歩を踏み出せるようになります。

- 馬場と障害の違いや段階的な受験資格の仕組み
- 実技試験と筆記試験の具体的な難易度や合格基準
- 受験にかかる認定料金と見えない費用の総額目安
- 失権を回避するための実技対策と効率的な勉強法
クレインで乗馬ライセンス3級取得の全体像
乗馬ライセンス3級は、趣味としての乗馬から本格的なスポーツへの入り口となる重要なステップです。
ここでは、クレインにおけるライセンスの仕組みや難易度、そして挑戦する上で気になる費用の全体像について、客観的な事実と私の経験を交えながら詳しく解説していきます。
馬場と障害の違いと受験の前提条件

乗馬のステップアップを目指す上で、まず直面するのが「馬場」と「障害」という2つの分かれ道です。
乗馬ライセンス3級には、大きく分けて「馬場馬術(技能認定3級)」と「障害飛越(技能認定障害3級)」の2種類が存在します。
ここで多くの方が戸惑うポイントなのですが、これらは全く別の独立した試験として扱われるため、それぞれのルールを理解しておく必要があります。
極めて重要な前提条件として、いきなり障害3級を受験することはできず、まずは「技能認定3級(馬場)」を取得していることが必須となります。
これはなぜかというと、障害を飛ぶという三次元的な激しい動きを安全に行うためには、まずは平地での確固たるバランスと、馬を正確にコントロールする能力を身につける必要があるからです。

4級までのライセンスでは、馬に乗って基本的な操作(常歩、速歩、駈歩の維持など)ができるかどうかが主な評価基準でした。
しかし、3級からはより高度で繊細な技術が求められるようになり、ごまかしがきかなくなってきます。
例えば、馬場馬術の3級では、平地において馬の歩度(歩幅やスピード)を伸ばしたり縮めたりする緻密なコントロールや、決められた図形を正確に描いていく運動が含まれます。
これらの基礎的なコミュニケーションが馬としっかり取れていない状態で、いきなり高く飛び上がる障害に向かうのは、乗り手にとっても馬にとっても非常にリスクが高い行為とされています。
早く障害を飛んで風を切りたいと焦る気持ちが湧くこともありますが、馬場の練習を重ねるうちに、平地でのコントロールがいかにジャンプに直結するかを痛感するはずです。
自分が今どの段階にいて、障害に挑戦するためには次にどんな技術的・知識的ステップを踏むべきか、この全体像をしっかり把握しておくことが、焦らずに技術を向上させるための大切なポイントになります。
馬場3級という確固たる基礎をクリアして初めて、障害という新しいステージへの扉が安全に開かれる仕組みになっているのです。
試験の難易度と合格に必要なスキル

馬場3級を取得し、いよいよ障害3級の実技試験に臨むとなると、本格的なジャンプへの挑戦が始まります。
以前は高さ90cm程度の障害が基準とされていましたが、2022年4月の改定により、現在のコースには高さ80cm程度の障害が少なくとも3つ以上含まれる規定に変更されています。
80cmという高さは、馬が単に脚を上げて跨げるような高さではなく、しっかりと背中を丸めて跳躍する「バキュール」と呼ばれるダイナミックな動きを伴います。
そのため、乗り手には馬の動きを妨げない正確なツーポイント姿勢(前傾姿勢)と、手綱を柔らかく譲るリリースが強く求められます。
初めてこの高さを目の当たりにすると、まるで壁のように感じてしまい、「落馬してしまうのではないか」と強い不安を抱く方も多いのではないでしょうか。
私も最初は障害の前に立つだけでハラハラしてしまい、無事に飛べるのかと心臓がバクバクしたのを鮮明に覚えています。
ですが、審査の主眼は決してプロのような美しい飛越を競うことではありません。
最も重視されるのは、あくまで安全に馬をコントロールし、最後までコースを回り切る基礎的な能力なのです。
難易度の高い連続飛越(コンビネーション障害)はコースに含まれなくてもよいとされており、一つひとつの障害に確実に向かうアプローチの姿勢が純粋に評価されます。
つまり、複雑なコースを器用にこなすことよりも、まずは単一の障害に対して、真っ直ぐに、そして適切なリズムで馬を誘導できるかがカギになります。
馬とのコミュニケーションを大切にし、障害に向かう際に馬の推進力を保ちながら、決して焦らずにアプローチする姿勢が合格へと導いてくれます。
過度に難易度を恐れる必要はなく、日々のレッスンで培った「馬の動きに随伴する感覚」を信じて挑むことが何よりも大切です。
認定料金とレッスン費用の総額目安
乗馬ライセンス取得にかかる費用は、挑戦を決意する上で多くの方が最も気になさる現実的なポイントの一つですよね。
クレインをはじめとする全国の乗馬クラブにおける技能認定障害3級の公式な認定料金(審査料)は、規定により11,000円(税込)と設定されています。(出典:公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会『技能認定制度』)
しかし、当然のことながら、この認定料金を支払うだけでライセンスが魔法のように取得できるわけではありません。
実技試験の合格レベルに達するまでのレッスン受講料や騎乗料が、認定料金とは別途に必要になってくる点を忘れてはいけません。
3級レベルに到達するために必要なレッスン数(鞍数)には、個人の運動経験や馬との相性、通う頻度によって大きな個人差が影響します。
一般的には、数十鞍分の専用レッスン費用をトータルの予算として見込んでおく必要があり、決して安い金額ではありません。
1鞍あたりの騎乗料にレッスン数を掛け合わせると、数万円から十数万円規模の出費になることもよくある話です。
ここでご紹介する費用や数値データはあくまで一般的な目安ですので、すべてのクラブや個人に当てはまる断定的なものではありません。
正確な情報は公式サイトをご確認いただくか、所属するクラブの窓口でご自身のプランについて直接お問い合わせください。
費用については、自分の現在のレベルから逆算して、無理のないペースで予算を組むことが長期的なモチベーション維持に繋がります。
「今月は集中的にレッスンを入れる」「来月は少しペースを落として復習にあてる」といった具合に、お財布と相談しながら計画を立てることが大切です。
ライセンスという明確な目標があるからこそ、かかる費用を「自分への自己投資」として前向きに捉え、計画的に楽しく準備を進めていきたいですね。
配馬料など見えない費用の詳細内訳

トータルの費用を慎重に考える上で、絶対に忘れてはいけないのが、認定料金や通常のレッスン料以外の「見えない費用」の存在です。
公式の案内だけを見ていると見落としがちなのですが、実際に試験を受ける段階になると、いくつかの追加出費が発生することに気づきます。
例えば、試験当日に自分が乗り慣れた馬や、障害飛越が得意で安定している優秀な馬を指名するための「専用馬指名料(配馬料)」が挙げられます。
| 費用の種類 | 内容と一般的な目安 |
|---|---|
| 認定料金(審査料) | 11,000円(税込 / 純粋な試験・申請費用) |
| 専用馬指名料(配馬料) | 試験当日の安心感を買うためのオプション費用(クラブや馬により数千円程度変動) |
| テキスト・規程集代 | 公式テキスト「LET’S ENJOY RIDING」などの購入費(数千円程度) |
配馬料は別途費用がかかるため、毎回課金する価値があるかどうか悩むところですよね。
ただ、普段からコミュニケーションが取れていて癖を把握している馬に試験本番で乗れることは、計り知れない安心感をもたらしてくれます。
特に障害飛越では、馬との信頼関係とリズムが結果に直結するため、緊張しやすい方にとっては合格率を高めるための必要経費として非常に有効な選択肢だと私は考えています。
また、筆記試験のための公式テキスト「LET’S ENJOY RIDING」なども必要になってきます。
これらは新品で購入するのも良いですが、少しでも費用を抑えたい場合は、クラブの先輩に譲ってもらったり、フリマアプリなどで中古の流通を探してみるのも一つの賢い方法です。
もし不合格になってしまった場合は、再試験費用や追加のレッスン代も当然必要になります。
これらの見えない費用も含めて全体像をあらかじめ把握しておくことで、直前になって慌てることなく、心に余裕を持って試験に臨むことができます。
クレインで乗馬ライセンス3級取得に向けた試験対策
ライセンス取得の全体像や費用感がしっかりと把握できたところで、次は実践的な試験対策のフェーズに入りましょう。
実技でのメンタルコントロールや、出題範囲の広い筆記試験を乗り切るための効率的な学習方法など、合格に近づくための具体的なステップをご紹介します。
障害実技の合格基準と経路の覚え方

障害3級の実技試験は、国際的な障害飛越競技の基準をベースにしつつも、「規定のコースを完走すること」を最終的な合格の大きな目安としています。
競技会のようにコンマ何秒のタイムを激しく競うわけではなく、評価の主軸はあくまで「安全な完走能力」に置かれています。
つまり、スピードを出して急ぐことよりも、馬との安全なコミュニケーションと正確なコントロールが何よりも最重視されているということです。
この方針が意味するところは、「焦ってコースを回る必要は全くない」という審査側からの優しいメッセージでもあります。
経路を覚える際は、馬場を大きく使ったゆとりのあるライン取りをイメージし、頭の中で何度もシミュレーションを行うことが効果的です。

障害と障害の間の距離が短いと感じたときでも、無理にショートカットを狙って馬のバランスを崩すのではなく、しっかりと馬の姿勢を整えるための大きな弧を描くアプローチを心がけましょう。
試験本番では、緊張からどうしても無意識に焦ってしまいがちですが、一つ飛んだら落ち着いて次の障害へのアプローチを整えることに集中してください。
経路図を紙に書いて指でなぞってみたり、実際の馬場を歩いて景色を目に焼き付けたりする地道な作業が、本番での安心感に直結します。
タイムを気にせず安全第一で走行することが、結果的に馬の負担を減らし、安定した飛越と合格に繋がっていくのだと強く実感しています。
落ちる理由を分析して失権を回避

実技試験で不合格(失権)となってしまう最大の理由は、馬が障害の前で止まってしまったり、横に逃げたりする「反抗」によるものです。
この試験では「基準A」という競技に準拠した採点方式が採用されることが多く、コースの途中で3回の反抗があった時点で、残念ながら失権となってしまいます。
落ちる理由の多くは、乗り手が障害の高さに極度に緊張して馬の動きを妨げてしまったり、馬に向かって「跳ぶぞ」という明確な意志(推進力)を伝えきれなかったりすることに起因しています。
失権を回避するためには、失敗を恐れて体が硬くなるのを防ぎ、馬との信頼関係を保ちながら力強く前へ送り出す脚の意識を維持することが最も重要です。
馬は乗り手の不安や躊躇を非常に敏感に察知する、とても賢く繊細な生き物です。
人間側が「飛べるかな?怖いな」と迷っていると、その迷いが手綱や脚を通じて瞬時に伝わり、馬も不安になって足をとめてしまいます。
逆に言えば、「絶対に一緒に飛ぶんだ!」という強い気持ちでしっかりと脚を使い、馬に推進を与え続けることができれば、馬も安心して障害に向かってくれます。
また、もし1回や2回反抗されてしまったとしても、「3回までは止まっても立て直すチャンスがあるんだ」とポジティブに捉える心の余裕を持つことが大切です。
失敗しても決してパニックにならず、深呼吸をして冷静に馬を落ち着かせ、もう一度大きく回り込んで体勢を立て直す精神力を日々のレッスンから養っておきましょう。
実技で落ちた場合の再挑戦について

どれだけ万全な準備をしていても、感情を持った生き物相手のスポーツである以上、実技試験で思い通りの結果が出ず不合格になってしまうことは決して珍しいことではありません。
当日の馬の機嫌や体調、あるいはちょっとしたタイミングのズレで失敗してしまうことは、どんなに上手なベテランライダーでも経験する当たり前の道です。
万が一実技で落ちた場合は、再試験のために認定料金を再度納入する必要が出てきますが、ここで過度に落ち込んだり、自分には乗馬のセンスがないと諦めたりする必要は全くありません。
試験自体は、誰もが通る「今の自分の現在地」を知るための確認作業であり、特別な魔法の技術が試されるわけではないのです。
まずは結果を真摯に受け止め、落ち着いて担当のインストラクターから具体的なフィードバックをもらう時間を作りましょう。
自分の騎乗のどの部分に課題があったのか、例えば「踏み切りのタイミングで前傾姿勢が早すぎたのか」「カーブでの推進力が不足して馬の勢いが落ちてしまったのか」など、客観的な視点から原因を明確にすることが次への第一歩です。
原因が分かれば、次回のレッスンからそのポイントを意識して一つずつ丁寧に修正していくだけです。
一回での合格にこだわりすぎず、自身の技術をより深く磨き、馬との絆を強めるための貴重な経験として前向きに捉えて再挑戦してください。
挫折を乗り越えて失敗から学んだことこそが、今後の長い乗馬ライフにおいてかけがえのない強固な財産になるはずです。
筆記試験の出題傾向と過去問の活用

実技試験のことばかりに目が行きがちですが、並行して行われる筆記(学科)試験も、油断せずにしっかりとした対策が必要になってきます。
5級や4級の学科試験が、馬の生態や毛色の種類、基本的な馬装の名称といった比較的覚えやすい内容だったのに対し、3級からは様子が大きく変わってきます。
競技法規やルールなどの専門的で少し堅苦しい内容へとシフトするため、ここでつまずいてしまう方も少なくありません。
テキストと規程から幅広く出題
出題の範囲としては、公式テキストである「LET’S ENJOY RIDING」の内容に加え、F.E.I.(国際馬術連盟)およびJ.E.F.(日本馬術連盟)の競技規程からも問題が出題される傾向にあります。
これらの出題割合が厳密に何対何であるかは公式に明言されていないため、テキストだけを丸暗記すれば安心というわけにはいきません。
合格基準は100点満点中60点以上という目安が一般的ですが、分厚いテキストや細かなルールのすべてを一言一句完璧に暗記しようとするのは非効率です。
そこで最も頼りになるのが、クラブに保管されている過去問や、インストラクターが教えてくれる出題の傾向です。
過去問などを通じて、どのような問題が頻出するのかのパターン(例えば、失権となる具体的な条件の違いなど)を洗い出す作業がとても大切になります。
出題のクセを掴み、要点を絞って取り組むことで、試験に対する心理的な負担も大きく軽減され、効率よく合格点に達することができるはずです。
規程を覚えるための効率的な勉強法

出題範囲に含まれるF.E.I.やJ.E.F.の競技規程は、普段のレッスンではあまり耳にしない専門用語が多く含まれています。
さらに、法律の条文のように難解な文章で書かれている部分もあるため、具体的な勉強法に悩む方は非常に多いです。
特に本業をお持ちの社会人の方にとって、仕事が終わってから疲れた頭で分厚い規程集やテキストを読み解き、まとまった机上学習時間を確保するのは至難の業ですよね。
そこでおすすめしたいのが、通勤時間や家事の合間といったスキマ時間を最大限に活用する「ながら勉強」の手法です。
テキストを目で追うだけの学習には、どうしても疲労や集中力の限界があります。
試験の出題ポイントや暗記すべき規程を自分のスマホのボイスレコーダーで録音し、移動中や作業中にイヤホンで耳から聴くオーディオ学習を取り入れると、記憶の定着率がグッと上がります。
人間は繰り返し耳にした情報を記憶しやすいと言われているため、この方法はとても理にかなっています。
日常生活の中に細かく学習を組み込む「マイクロラーニング」の手法を駆使すれば、時間的な制約という社会人ならではの大きなハードルを確実に乗り越えることができるはずです。
無理のない範囲で、毎日の生活に少しずつ試験対策を溶け込ませてみてください。
まとめ:クレインで乗馬ライセンス3級を取得しよう!

ここまで、クレインの乗馬ライセンス3級における試験の全体像や、実技・筆記それぞれの具体的な対策方法、そして費用の内訳について、客観的な事実と私の知る限りの情報をお話ししてきました。
馬場と障害の段階的な仕組みや、80cmという高さに対する技術的・心理的なアプローチ、さらには見えない部分も含めた費用の目安など、挑戦前に知っておくべきポイントは本当に多岐にわたります。
最初は「難易度が高そう」「覚えるべき規程が多くて大変そう」と情報の多さに圧倒されてしまうかもしれません。
しかし、安全な完走が最も重視されることなど、受験者に寄り添った配慮も試験の随所に組み込まれていることがお分かりいただけたかと思います。
焦らず自分のペースでレッスンを重ね、スキマ時間を活用した効率的な勉強法を取り入れながら、一つひとつの課題をクリアしていってください。

なお、乗馬はスポーツである以上、落馬や怪我のリスクもゼロではありません。
健康状態や安全に関わる判断が必要な場面も出てくるかと思いますので、最終的な判断はインストラクターなどの専門家にご相談いただくようお願いします。
また、最新の料金体系や試験の細かなルールなど、正確な情報は必ずご自身で公式サイトや所属クラブにご確認いただくようお願いいたします。
皆さんが不安を乗り越え、競技者としての第一歩となるライセンスを見事取得されることを、一人の乗馬ファンとして心から応援しています。

