
乗馬を始めてみたいけれど、お金がたくさんかかりそうで一歩を踏み出せないと悩んでいませんか。
テレビや雑誌で見かける乗馬は優雅で素敵ですが、いざ自分が始めるとなると、いくら準備すればいいのか見当がつきにくいですよね。
特に乗馬の習い事に関する費用などの情報を探している初心者の方にとっては、大人から始める場合と子供が通う場合での違いや、全体の相場が気になるポイントだと思います。
また、ゆくゆくはライセンスを取得してみたいという目標がある方にとって、将来的にどのくらいの予算が必要になるのかも知っておきたいところです。
この記事では、週末に馬と触れ合うことをライフワークとしている私が、一般的な乗馬クラブの料金体系について分かりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、漠然とした不安を解消し、ご自身のライフスタイルに合った乗馬ライフの計画を立てるヒントが見つかるはずです。

- 乗馬クラブの基本的な料金体系と入会金の目安
- 大人や子供が通う場合の月額料金の相場
- ライセンス取得や専用の道具にかかるお金
- 長く安全に続けるためのクラブ選びと保険の仕組み
乗馬の習い事にかかる費用の基本
この章では、乗馬クラブに入会する際に必要となる初期費用や毎月の維持費について、基礎から詳しく解説していきます。
初心者が気軽に体験できるプランから、実際に専用の道具を揃える際の相場まで、ベースとなる料金の仕組みをしっかりと見ていきましょう。
費用の全体像を把握することで、無理のない計画を立てることができます。
クラブの入会金と月会費の相場

乗馬クラブの料金システムは、一般的なフィットネスジムやスポーツスクールなどとは少し違った、独特の構造を持っています。
その最大の理由は、大きな生き物である「馬」を安全かつ健康に飼育・管理するため、どうしても高額な固定費が前提となるビジネスモデルだからです。
基本的には、「入会金(初期費用)」「月会費(月額固定費)」「騎乗料(都度発生する費用)」の3つがセットになっていると考えてください。
入会金の相場は数万円〜20万円台が一般的です。
毎月の月会費は、約1万円前後〜2万円台が多い傾向にあります。
さらに、1回乗るごとに発生する騎乗料が平日と土日で変動しつつ、1回あたり3,000円から6,000円前後かかります。
入会金に数万円から20万円台といった幅広い価格差があるのは、そのクラブが「趣味として楽しむ人向け」に運営されているか、「本格的な競技を目指す人向け」に運営されているかによって、方針が全く異なるためです。
本格的に馬術競技を目指す層をターゲットにしたクラブでは、能力の高い競技馬の維持や専門的な指導体制の構築が必要となるため、どうしても入会金が割高に設定される傾向があります。
一部の高額なクラブでは、入会金が30万円以上、あるいは100万円を超えるようなケースも存在します。
月ごとの費用としては、乗馬に行くか行かないかにかかわらず毎月発生する「月会費」と、1回のレッスンごとに支払う「騎乗料」の組み合わせが基本となります。
この月会費は、馬の毎日の飼料代や厩舎の維持費、スタッフの人件費などの大切なベースコストに充てられます。
さらに、実際の騎乗に際しては、平日と土日祝日で異なる料金体系が設定されていることが多く、休日は少し割高になるケースが一般的です。
これらの金額はあくまで一般的な目安ですので、入会前には必ず各乗馬クラブの公式サイトなどで最新の料金と内訳を確認するようにしてください。
また、初期費用を抑えたい方向けに、入会金0円キャンペーンなどを定期的に実施しているクラブもあるため、こまめに情報をチェックすることをおすすめします。
初心者向け体験プランの相場

いきなり数万円から十万円以上の初期費用を支払って入会するのは、誰にとっても大きな勇気がいることですし、自分に合わなかった場合のリスクも伴います。
そのため、現在ほぼすべての乗馬クラブでは、初心者向けのお試しコースとして「体験プラン」が用意されています。
初心者が抱く「高額なスポーツなのではないか」という金銭的な不安とは裏腹に、体験プランの相場は20分から30分程度の騎乗で3,500円から5,000円前後と、他の一般的なレジャーやアクティビティと変わらない手軽な価格設定になっています。
体験乗馬の嬉しいところは、専用の道具を持っていなくても気軽に参加できる点です。
乗馬には本来、ヘルメットや専用の乗馬ブーツ、プロテクターなどの装具が必要となりますが、体験段階ではこれらすべてがレンタル可能となっています。
参加者に求められるのは、長袖・長ズボンといった柔らかく動きやすい生地の衣服と、ブーツを履くための靴下を持参することのみです。
手ぶらでクラブに行き、そのまま馬との触れ合いを楽しめるのが大きなメリットです。
クラブによっては、特定の地域にお住まいの方に向けたキャンペーンや、期間限定のプロモーションなどで、さらに安く体験できることも珍しくありません。
大手乗馬クラブの中には、集客のフックとしてワンコインの「500円体験」といった破格のキャンペーンを実施しているところも実際に存在します。
こうしたキャンペーンを上手に活用することで、初期投資を事実上ゼロに近い状態に抑えたまま、乗馬の世界を覗いてみることができます。
まずはこの体験プランを利用して、クラブの雰囲気や馬の乗り心地を肌で感じてみることを強くおすすめします。
体験当日は単に馬の背に跨るだけではなく、馬への基本的な接し方や、下馬した後の馬のお手入れを体験できることもあります。
インストラクターとの相性や、自宅からの通いやすさなどもこの段階でしっかりとチェックしておきましょう。
一度体験してみることで、馬という動物の賢さや可愛らしさに気付き、今後の習い事としての具体的なイメージが湧いてくるはずです。
大人が通う場合の月会費の相場

体験を経て正式に入会を決意した後、大人が趣味として通う場合、月々のトータルコストはどれくらいになるのでしょうか。
結論から言うと、これは「月に何回騎乗するか」という頻度によって大きく変動します。
乗馬は月額固定の通い放題というシステムは少なく、乗れば乗るほど騎乗料が加算されていく仕組みだからです。
自然の中でのリフレッシュや、馬との触れ合いによるストレス解消を目的として、のんびりとしたペースで楽しむ方も多くいらっしゃいます。
ただし、月に1回しか騎乗しない場合でも、毎月の基本維持費である「月会費」は必ず発生します。
月会費の相場が約1万円前後であるため、たとえ月1回の騎乗であっても、月会費と騎乗料を合わせると最低でも月に1万円前後が一般的なトータルコストとなります。
もう少し頻度を上げて月に2回程度通う場合は、月会費に加えて騎乗料が2回分かかるため、月に1万5,000円から2万円程度の予算を見込んでおくと良いでしょう。
基礎技術の維持と緩やかな上達を目指す、一般的な大人の習い事としては、この水準が非常にスタンダードです。
一方で、月に4回(毎週)ほど通い、しっかりと技術を身につけていきたい場合や、ライセンス取得を目指すような本格的な技術向上を目的とする場合はどうでしょうか。
このペースになると、月に2万5,000円から4万円程度の月額予算を見込んでおく必要があります。
一般のビジター料金で毎回乗るよりも、会員になることで1回あたりの騎乗料は大幅に安く設定されているため、月に複数回通うことを前提とするならば、会員になった方が中長期的なトータルコストは確実に低減されます。
乗馬技術の習得には、非日常的な筋肉の記憶や馬との繊細なコミュニケーション感覚が必要であり、間隔が空きすぎると感覚を取り戻すのに時間がかかってしまいます。
ご自身のライフスタイル、体力、そしてお財布の状況と相談しながら、無理のないペースで通うことが長続きの最大の秘訣です。
子供が通う場合の月会費の相場

乗馬は、大人の趣味としてだけでなく、子供の情操教育としても非常に高い人気と注目を集めている習い事です。
言葉の通じない大きな動物と関わり、自分より大きな命のお世話をすることで、思いやりの心や共感性、責任感を育むことができます。
また、馬上でのバランスを保つために姿勢の改善や体幹の強化といった身体的なメリットもあり、保護者の方々から高く評価されています。
子供向けの料金体系として、大人の正会員よりも初期費用や月会費がお得に設定された「ジュニア会員」や「ポニークラブ」といった枠を設けている乗馬クラブが多く存在します。
月に数回通う習い事として考える場合、子供の月額のトータルコストはおおよそ1万円から3万円台が目安になることが多いです。
大人に比べると比較的リーズナブルに始められる環境が整っていると言えますが、入会にあたってはいくつかの注意点があります。
安全上の理由から、子供が入会する際には身体的な安全性を確保するための基準が設けられていることが一般的です。
例えば「小学3年生以上」や「身長130cm以上」といった基準を設けている施設がありますが、これはあくまで一例であり、クラブごとに基準が大きく異なります。
ポニーを使ったレッスンであれば、幼稚園児から通えるクラブも存在しますので、近隣のクラブの年齢・身長制限を事前に調べておくことが重要です。
また、法的な責任能力や安全管理の観点から、18歳未満の未成年が乗馬クラブに通う際には、保護者の同意書がほぼ必須となります。
クラブによっては、レッスン中の保護者の同伴や見学が条件として求められるケースも少なくありません。
もし、子供が特定の課題を克服したい場合や、競技を目指して技術向上を急ぐ場合には、通常のグループレッスンに加えてプライベートレッスンを追加受講することも有効です。
1回あたり数千円の追加料金でマンツーマン指導を受けられるオプションが用意されているクラブもあるため、お子様の成長に合わせて柔軟にカリキュラムを組むことができます。
子供のうちから馬と触れ合う経験は、かけがえのない財産になること間違いありません。
初心者向け専用装具の相場

乗馬を継続的な習い事として定着させた段階で、初心者が次に直面するのが専用装具の購入という意思決定です。
体験や入会直後はすべてレンタルで済ませるのが一般的ですが、毎回のレンタル料金が長期的には無駄になってしまうことにお気付きになるはずです。
また、安全性、そして自身の体格に合わせたフィット感の観点からも、多くの会員が入会後数ヶ月以内に自己所有へと移行していきます。
初心者が必要とする基本的な装具は、頭を守る「ヘルメット」、足元を保護する「乗馬用ブーツ」と「チャップス」、動きやすい「キュロット(乗馬ズボン)」、手綱を握るための「グローブ」、そして馬に合図を送るための「ムチ」の合計6点です。
市場におけるこれら「初心者向け速攻乗馬6点セット」の相場は、ブランドや品質によって価格差が非常に大きく、おおよそ2万円から5万円以上と幅があるのが実情です。
バラバラに高級ブランドを買い揃えると10万円を超えてしまうこともありますが、入門用のパッケージ化されたセット商品を購入することで、初期費用を大きく抑えることができます。
乗馬用品専門のオンラインショップなどでは、手頃な価格帯のセットが多数販売されています。
さらに予算を限界まで絞りたい場合や、ウェア類は手持ちのスポーツウェアでしばらく代用したいと考える方に向けては、まずは足元だけを固めるという選択肢があります。
最低限足回りを保護するためのショートブーツとハーフチャップスの2点セットであれば、1万円から3万円程度の製品が多いです。
これらの装具は一度揃えてしまえば数年間は使用可能であり、その後は経年劣化による買い替えのみとなるため、年間の更新費用は数万円程度に落ち着きます。
子供の場合は成長に伴うサイズアウトによる買い替えサイクルが早まるリスクがありますが、大人であれば一度の投資で長く活用できるアイテムです。
自分だけの真新しいグローブやブーツを手に入れると、乗馬へのモチベーションがさらに跳ね上がり、クラブへ通うのが一層楽しみになりますよ。
乗馬の習い事と費用のステップ
基礎技術を身につけ、自分専用の道具も揃ったら、次は目標に向かってさらにステップアップしていく段階に入ります。
この章では、ライセンスの取得から、外部の競技会への参加、そして乗馬愛好家の夢とも言える自馬所有に至るまでの、より高度な費用構造について詳しく解説していきます。
将来的なビジョンを持つことで、より一層乗馬が楽しくなるはずです。
ライセンス取得にかかる相場

乗馬における技術的な目標設定として、全国規模で通用する「乗馬ライセンス」の取得があります。
日本国内の民間乗馬ライセンス制度は、公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会が認定を行っており、全国統一の基準で審査されます。
ライセンス取得は、自身のスキルを客観的に証明するだけでなく、旅行先などでの外乗に参加する際の技術証明としても機能するため、習い事として始めた多くの人が最初の目標として設定します。
初心者にとって最初の登竜門となるのが5級ライセンスです。
5級ライセンスは、これまで馬に触れたことのない完全な初心者を対象とした短期取得プログラムであり、一般的に3日間程度の講習で構成されます。
標準的な5級ライセンス取得コースの費用合計は約5万円から7万円程度であり、この中には受講料、用具レンタル代、認定試験料、テキスト代などが含まれています。
この5級ライセンス取得費用は、クラブの立地や付加価値によって変動することがあります。
例えば、リゾートエリアの乗馬施設が提供する宿泊付きの合宿コースでは、大自然の中での外乗が含まれたりするため、総額で10万円近くになる価格設定になっていることもあります。
観光とアクティビティを兼ねたプレミアムな体験として、こうした合宿形式のライセンス取得を選ぶ方も少なくありません。
5級を取得したのち、次の目標となるのがさらに上位の4級ライセンスです。
4級の最大の目的は、馬をダイナミックに走らせる「駈歩(かけあし)」の習得にあり、ここから乗馬のスポーツとしての本質的な楽しさが一気に開花します。
乗馬の駆け足(駈歩)をマスター!初心者向け上達のコツと練習法
ただし、4級は個人の技術習得スピードに左右されるため、受験の目安としておおむね40鞍から100鞍の騎乗経験を積んだ者を対象としています。
4級の取得コースは期間も長く内容も高度になるため、長期的な講習費や騎乗料を含めた費用の目安は10万円から20万円台、おおよそ16万円程度になる例が多いです。
これらは一時的な支出にはなりますが、明確なカリキュラムと期限が設けられているため、モチベーション維持に大きく寄与する優れたステップアップの仕組みとなっています。
合格証を手にした時の達成感は、大人になってもなかなか味わえない素晴らしいものです。
クラブ外での競技会と外乗の相場

ライセンスを取得し、基礎技術が完全に定着すると、多くの会員はクラブの敷地を飛び出して「競技会への出場」や「外乗」といった次なるステージへと進むことがあります。
ここで知っておくべきなのは、普段のレッスンとは全く異なる規模の費用が発生するということです。
まず外部の競技会に出場する場合ですが、エントリー費用自体は1種目あたり7,000円から1万円ほどと、そこまで法外な金額ではありません。
しかし、競技参加において最も大きな財政的負担となるのが、馬を競技会場まで輸送するための「馬運車代」です。
乗馬は生き物と共に参加するスポーツであるため、専門的な大型車両と動物取扱のスキルを持ったドライバーが不可欠となります。
輸送先の距離や、同じクラブからの参加頭数によって一人当たりの負担額は変動しますが、1回の遠征あたり6万円から15万円という高額な輸送費用が請求されるのが一般的です。
これに加えて、自馬を持たない会員がクラブの馬を借りて競技に出場する場合には「借馬料」も発生します。
そのため、競技志向のライダーは年間を通じて数十万円単位の追加予算を確保する必要があります。
一方で、順位を競うのではなく、大自然の中で馬を走らせる「外乗(ホーストレッキング)」は、競技ほどの技術的プレッシャーなく乗馬の醍醐味を味わえるアクティビティとして非常に人気が高いです。
北海道の広大な大地や、九州、山岳リゾートなどで行われる外乗の費用は、1回あたり約2万5,000円が相場となっており、これには現地での馬のレンタル代や先導ガイドの同行費用が含まれています。
競技会への参加が日々の技術鍛錬の証明と競争であるならば、外乗は身につけた技術の還元と非日常の癒やしを求める消費行動と言えます。
ライダーの価値観や財政状況によって、どちらに投資をしていくか方向性が大きく分かれる、乗馬ライフの非常に面白い部分でもあります。
自馬所有とクラブ預託の相場

乗馬を深く愛好する者にとっての究極の到達点は、自身の馬を所有し、専属のパートナーとして育てる「自馬(マイホース)」の世界です。
自馬の購入費用自体は、数十万円の引退した元競走馬から数千万円の輸入競技馬まで、血統や能力によって多岐にわたります。
しかし、個人の財務を中長期的に最も強く圧迫するのは、購入金額そのものではなく、購入後に毎月発生し続ける「預託料(維持費)」です。
馬は体重が500キロ前後にもなる巨大な生き物であり、専門的な設計がなされた厩舎や膨大な給餌が不可欠であるため、乗馬クラブと預託契約を結び、プロに管理を委託することになります。
| 費用の項目 | 月額費用の目安(一例) |
|---|---|
| 飼料費(生命維持に直結するエサ代) | 約58,000円 |
| 馬房清掃・馬糞処分費(衛生環境の維持) | 約26,000円 |
| 装蹄代(1ヶ月半に1度の蹄鉄の交換) | 約16,000円 |
| 基本預託料・事務費・調教料など | 約50,000円〜100,000円 |
自馬をクラブに預ける際、まず初期費用として入厩契約金が約11万円ほど発生することが多いです。
その後の毎月のランニングコストの構成は非常に多岐にわたり、上記の表のように飼料費、清掃費、装蹄代、基本の預託料が積み重なっていきます。
これらを総合すると、1頭の馬を健康な状態で維持するための費用は、おおよそ10万円から20万円以上に達することがわかります。
これは都内のマンションの家賃にも匹敵する金額であり、完全な自馬所有には安定した経済力が求められます。
しかし裏を返せば、これほど高額な維持費と専門的なケアが必要な大型動物に、一般の会員であれば月々1万円〜2万円の会費だけで乗ることができる「会員制乗馬クラブ」という仕組みは、一般市民にとって極めて合理的な価格破壊を起こしていると言えます。
私自身は自馬を持っていませんが、クラブの馬たちを「みんなの馬」として可愛がることができる今の環境にとても感謝しています。
初心者のクラブ選びと保険の相場

習い事として乗馬を長続きさせるための最大の要因は、実はレッスン費用の多寡だけでなく、「通いやすさ」という物理的な制約にあります。
乗馬クラブは広大な土地を必要とするため、都市部の中心地にあることは稀で、多くは郊外に位置しています。
そのため、施設へのアクセス方法と、それに伴う隠れたコスト(ガソリン代や高速料金、移動に要する時間)を事前に厳しく評価することが不可欠です。
優良なクラブは主要駅から無料送迎バスを運行していることも多いので、そうしたインフラが整っているかを必ず確認しましょう。
見学や体験乗馬の際には、費用面だけでなく、施設の裏側の状態まで観察することが求められます。
特に「馬の管理状態と厩舎の清潔さ」は、そのクラブの健全性を如実に表す最も重要な指標となります。
馬房が不衛生であったり、馬が痩せ細っているようなクラブは、資金難や人手不足に陥っている可能性が高く、ストレスを抱えた馬はパニックを起こしやすいため、結果として落馬などの事故リスクも跳ね上がることになります。
安全管理が徹底されているとはいえ、乗馬は意思を持った巨大な動物を相手にする性質上、万が一の負傷リスクが伴います。
そのため、損害保険への加入は必須要件です。
公益財団法人スポーツ安全協会『スポーツ安全保険』によれば、乗馬を行う大人(高校生以上・64歳以下)が対象となるC区分の年間掛金は2,000円となっています。
子供向けの区分であればさらに安価に設定されています。
「危険なスポーツ」というイメージに反して、保険料の負担額がこのように低水準に抑えられている背景には、クラブ側の並々ならぬ努力があります。
現代の乗馬クラブでは、会員に着用を義務付けるヘルメットの耐衝撃基準の厳格化や、落馬時に瞬間的に膨らんで頸椎や胴体を保護するエアバッグ式プロテクターの普及など、安全装備の進化が著しいです。
さらに、徹底的に調教された大人しい馬が用意されているため、適切にリスク管理されたスポーツとして安全に楽しむことができます。
安全に関わる重要な事項ですので、最終的な保険の加入判断や補償内容については、専門家やクラブの担当者によくご相談ください。
まとめ:乗馬の習い事の費用は高い?

ここまで、数千円の体験乗馬から始まり、高次な目標である自馬所有に至るまでの、乗馬にまつわる様々な費用構造について徹底的に解説してきました。
「乗馬 習い事 費用」と検索して、一部のトップエンド層が負担するような「入会金数十万円」「自馬の維持費に毎月20万円」といった断片的な情報に触れ、最初は驚いてしまった方も少なくないかもしれません。
しかし本稿での分析結果が示す通り、実際には初心者がいきなり高額な負担を強いられるようなことはなく、目的に応じて非常に段階的かつ合理的な料金設定がなされていることがお分かりいただけたかと思います。
乗馬を習い事として成功させ、生涯の趣味として定着させるための最大の要諦は、「自分自身(あるいは子供)がどこまでのレベルを求めているのか」という目的意識を明確に持つことです。
日々のストレスからの解放や動物からの癒やしを求める趣味志向であれば、入会金や月会費が手頃なクラブを選び、マイペースに月に数回通うことで、一般的なピアノや英会話といった習い事と大きく変わらない年間予算で十分にコントロールすることが可能です。
無理をして最初から背伸びをする必要は全くありません。
一方で、ライセンス取得による技術の証明や、外部の競技出場といった明確な目標が見えてきた段階で、ご自身の予算と相談しながら追加投資を納得感を持って段階的に行っていけばよいのです。
乗馬は、生きた動物と呼吸を合わせ、非言語のコミュニケーションを図りながら一体となるという、他のいかなるスポーツにも代替できない圧倒的な体験価値を提供してくれます。
初期費用から将来的な継続費用の実態を正しく把握し、ご自身にぴったりのクラブを見つけて、素晴らしい馬との豊かなライフスタイルをぜひスタートさせてください。

