
乗馬を始めて少し馬の揺れに慣れてくると、次の目標として見えてくるのが資格の取得ですよね。
ただ、いざ取得を目指そうと思うと、乗馬ライセンス4級の難易度や合格率が気になって踏みとどまってしまう方も多いのではないでしょうか。
さらに、取得までにかかる乗馬ライセンス4級の費用や期間、そして具体的にどのくらいの乗馬ライセンス4級の鞍数が必要になるのかなど、経済的および時間的な見通しが立たないと不安になるものです。
試験内容についても、乗馬ライセンス4級の実技でどのようなことが求められるのか、乗馬ライセンス4級の経路図をどう覚えるべきか、疑問は尽きないと思います。
乗馬ライセンス4級の筆記試験の範囲も広く、乗馬ライセンス4級の問題集をどのように活用すればよいのか迷う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、この資格を取得すれば、広大な自然を駈歩で駆け抜ける乗馬ライセンス4級の外乗ツアーに参加できるようになるという素晴らしいご褒美が待っています。
この記事では、週末に趣味として乗馬を楽しんでいる私の視点から、皆さんの疑問や不安を解消し、中級者への扉を開くための具体的なステップを分かりやすくお伝えします。
- 4級取得に必要な鞍数や期間の目安と2つの通い方
- 取得にかかる費用の相場と経済的なプランニング
- 実技試験と筆記試験の具体的な審査基準や対策方法
- 資格取得後に楽しめるダイナミックな外乗ツアーの魅力
乗馬ライセンス4級の概要と取得準備
乗馬ライセンス4級を取得するためには、まず資格の全体像や必要な準備を正確に把握することが何より大切です。
ここからは、実際の難易度や合格率の実情から、クラブごとに幅がある費用や期間、そして必要な練習量のリアルな目安まで、取得に向けた土台となる情報について詳しく解説していきます。
乗馬ライセンス4級の難易度と合格率

乗馬を始めて最初の目標となる5級ライセンスは、馬の背中の揺れに慣れ、常歩(なみあし)や軽速歩(けそくほ)といった基本的な歩様を「体験する」ことに主眼が置かれています。
指導員の方の誘導のもとで比較的受動的に技術を習得できるため、6〜10鞍程度を目安に、多くの乗馬クラブで3日間の取得コースが用意されています。
しかし、そこからステップアップして乗馬ライセンス4級を目指すとなると、求められる技術レベルと乗り手の主体性は劇的に変化します。
4級ライセンスが中級者への登竜門と呼ばれる最大の理由は、馬の動きに単に乗せられている状態から完全に脱却し、明確な合図(扶助)を用いて「自らの意思で馬をコントロールする」ことが求められるからです。
馬は感情を持った生き物であり、自動車やバイクのように機械的な操作で動くわけではありません。
騎乗者の微妙な体重移動、脚(きゃく)による圧迫の強弱、手綱を通じた繊細なコンタクトなど、全身を使った生体力学的なアプローチが必要不可欠になります。

その中で難易度を跳ね上げている最大の要因が「駈歩(かけあし)の発進と維持」です。
駈歩は、タ・タ・タンという三拍子のダイナミックなリズムで馬が跳躍しながら前進する歩様です。
これまでの歩様とは比べ物にならない強い遠心力と、前後上下の大きな揺れが発生するため、非常に高度なバランス感覚と恐怖心に打ち勝つ精神力が要求されます。
速歩の状態から馬の姿勢を適切に収縮させ、左右非対称な脚の合図を送ることで駈歩を発進させ、その後も馬の背中を叩くことなく自身の腰を柔らかく随伴させて走り続けなければなりません。
このように聞くと「自分にはとても無理かもしれない」と不安に感じるかもしれません。
確かに難易度は高いですが、真面目にクラブのカリキュラムを受講し、インストラクターの指導のもとで正しい反復練習を積めば、合格率自体は決して低いものではありません。
難易度が高いからこそ、見事に合格した瞬間の達成感と、馬と完全に息が合ったときの感動は格別です。
焦らず、自分のペースで着実に技術を積み重ねていくことが、モチベーションを高く維持しながら合格を勝ち取る最大の秘訣だと言えるでしょう。
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乗馬ライセンス4級の費用の相場

資格取得を目指す上で、誰もが現実的に直面するのが費用の問題です。
乗馬はどうしても馬の飼育管理費や広大な馬場施設が必要になるため、他の一般的なスポーツに比べて初期費用やランニングコストが高くなる傾向があります。
乗馬ライセンス4級を取得するまでの費用構造は、大きく分けて「乗馬クラブの会員として継続的に通う場合」と、「非会員のまま短期取得コースを利用する場合」の2つのモデルが存在します。
乗馬クラブに入会して技術を磨く場合、初期投資としての入会金に加え、月々の会費や1鞍ごとの騎乗料が毎回発生します。
ここで注意しなければならないのは、乗馬業界の料金体系はクラブの規模や立地によって非常に幅広く、統一された公的な相場データが存在しないということです。
| 費用項目 | 概算相場(税込) | 詳細 |
|---|---|---|
| 入会金 | 数万円〜数十万円 | 地域密着型から高級リゾート型までクラブにより幅が非常に大きいです。 |
| 月会費 | 数千円〜数万円 | 施設の維持管理費や会員権の維持にかかる固定費です。 |
| 騎乗料 | 数千円〜1万円以上 | 1回(約45分)あたりの料金。指導料や馬のレンタル代(借馬料)が含まれるか要確認。 |
| 用具代 | 数千円〜数十万円 | 全てレンタルで済ませるか、有名ブランドを購入するかで個人差が大きいです。 |
会員として通う最大のメリットは、様々な性格や体格の馬に乗りながら、じっくりと時間をかけて長期的な視点で技術を定着させられる点にあります。
しかし、毎回発生する騎乗料などを積み重ねると、総額としての経済的負担は決して小さくありません。
一方、費用と期間の見通しを明確に立てたい方に人気なのが、各クラブが独自に提供している「短期取得コース」です。
このモデルは、規定回数の受講料、テキストなどの教材費、基本的な用具のレンタル料、さらには認定試験の審査料までがあらかじめ一つのパッケージになっていることが多く、追加の出費が発生しにくいという大きな利点があります。
多くのクラブで10万円〜数十万円程度に設定されており、15万円〜20万円前後がひとつの目安となることが多いようです。
ここで紹介した費用は、複数の事例に基づくあくまで一般的な目安であり、実際の金額を保証するものではありません。
キャンペーンの有無や、毎回のスポーツ安全保険料(数百円程度)が別途加算されるケースもあります。
正確な情報は、入会や受講を検討されている乗馬クラブの公式サイトを必ずご自身で確認してください。
最終的なプランの決定は、経済的な余裕を考慮した上で専門家やクラブの窓口にご相談ください。
乗馬ライセンス4級の期間と学習日程
乗馬ライセンス4級を取得するまでの期間は、ご自身のライフスタイルと、どれだけの間隔を空けずに継続して馬に乗れるかによって全く異なってきます。
早く資格が欲しいからといって、体力や感覚が追いつかないうちに無理なスケジュールを組んでしまうのは危険です。
疲労が溜まると落馬のリスクが高まるだけでなく、恐怖心から体が強張ってしまい、結果として上達が遅れる原因にもなりかねません。
仕事や学校が休みの週末だけを利用してマイペースに通う、私のような社会人ライダーの場合、週に1〜2回の騎乗が現実的なペースになります。
この頻度でじっくりと馬との対話を楽しむ場合、4級取得までには数ヶ月から1年以上と、学習の進み具合によって個人差が非常に大きくなります。
特に駈歩の発進練習に入ると、普段の生活では絶対に使うことのない内股(内転筋)や体幹のインナーマッスルを強烈に酷使します。
そのため、初めのうちはまともに歩けなくなるほどの酷い筋肉痛と付き合いながらの練習になります。
数日間隔を空けてしっかりと筋肉を休ませ、頭の中で前回指摘された技術を整理する時間を持つことで、結果として着実な上達に繋がるのです。
一方で、「まとまった休みを使って一気に技術を詰め込みたい」「ダラダラ通うより短期集中で資格を取りたい」という方には、短期取得コースが魅力的な選択肢となります。
クラブによって日数は様々ですが、一般的には8日間〜12日間程度のコースが用意されていることが多いです。
数週間の中で集中的にカリキュラムを消化できるため、期間という点では間違いなく最短距離を走ることができます。
しかし、乗馬経験が全くない初心者がいきなりこの短期コースに挑むのは、体力面でも技術面でも非常にハードルが高いと言わざるを得ません。
4級の審査を突破するには、基礎的な常歩や軽速歩が無意識レベルで安定してできる土台が不可欠です。
まずは体験乗馬や5級取得コースから始め、馬に対する恐怖心をしっかりと拭い去ってから4級のコースに挑むのが、最も安全で確実なステップアップのルートです。
乗馬ライセンス4級に必要な鞍数

「合格するまでに、具体的に何回くらいレッスンを受ければいいですか?」
これは、乗馬クラブに通い始めたばかりの方が指導員の方に必ずと言っていいほど投げかける質問です。
しかし、これに対する絶対的な正解や公式の基準というものは、実は存在しません。
なぜなら、乗馬ライセンス4級の取得に必要な鞍数(騎乗回数)は、その人の生来の運動神経、バランス感覚の鋭敏さ、そして何より「動物に対する恐怖心とどう向き合えるか」によって著しい個人差が出る領域だからです。
5級が10鞍未満でも取得できることが多いのに対し、4級取得には数十鞍以上が目安とされることが一般的です。
早い人であれば、過去のスポーツ経験を活かして40〜50鞍程度の経験で実技試験の基準に達してしまうこともあります。
しかし、100鞍以上の反復練習を経てからようやく受験の許可が下りる方も決して珍しくなく、むしろそれが普通だと言っても過言ではありません。
これは、4級の最大の難関である「駈歩の発進と維持」という技術が、自転車の練習のように練習量に比例して直線的に上達するものではないためです。
ある日突然、パッと感覚を掴んで波に乗るように走れるようになることもあれば、何十回乗っても馬が言うことを聞いてくれず、速歩ばかりになってしまって思い悩む強烈なスランプの時期も必ず訪れます。
必要鞍数が予想以上に増えてしまう最大の原因は、馬の大きな揺れやスピードに対する「恐怖心」から体が無意識に固まってしまうことです。
体がガチガチに固まると、手綱を強く引っ張りすぎて馬にブレーキをかけてしまったり、正しい脚の圧迫が伝わらなくなってしまいます。
乗馬において最も大切なのは、周りの会員さんが自分より少ない鞍数で上のクラスに上がっていくのを見て、絶対に焦らないことです。
馬とのコミュニケーションは、頭で理屈を理解するよりも、細胞レベルで体がリズムを覚えるまでに圧倒的な時間がかかります。
「自分は100鞍かかるかもしれない」と最初からゆったりと構え、1鞍1鞍のレッスンで指導員のアドバイスを真摯に実践していくことが、結果的に遠回りを防ぐ最善の策となります。
乗馬ライセンス4級の試験対策と合格後
事前準備や心構えが整ったら、次はいよいよ具体的な試験対策と、その先にある素晴らしい乗馬の世界について知っていきましょう。
ここからは、実技試験での細かな評価ポイントや、筆記試験の効果的な暗記法、そして資格取得後に参加できるようになる魅力的な外乗アクティビティについて詳しくお話しします。
乗馬ライセンス4級の実技審査の要点

実技試験は、単に広い馬場内を自由に走り回って馬を操れるかどうかを見るような大雑把なものではありません。
限られた空間内で幾何学的な図形を描くように正確に馬を誘導し、さらに他者との協調性を保ちながら運動するという、極めて複合的かつ実践的な能力が審査される厳格なシステムとなっています。
日本では一般的にブリティッシュスタイルと呼ばれる乗馬スタイルが主流となっており、その基準に沿った審査が行われます。
4級の実技審査における最大の特徴は、単騎で気楽に走るのではなく「部班運動(ぶはんうんどう)」という形式で行われる点にあります。
部班運動とは、複数頭の馬が縦一列に並び、指導員(号令者)の指示に従って全員が一斉に同じ運動を行う訓練方式のことです。
馬は生来、群れで行動する強い本能(追従性)を持つ動物です。
前の馬が走り出せば後ろの馬も釣られて走り出したがり、前の馬が止まれば自らもサボって止まろうとします。
審査では、騎乗者がこの「馬の群集心理」に流されることなく、自分自身の確固たる扶助(脚や手綱による合図)によって馬を的確に制御できているかどうかが厳しく採点されます。
具体的な審査の項目や基準については、公式団体によって明確に定められています。(出典:公益社団法人 全国乗馬倶楽部振興協会『技能認定審査』)
例えば、常歩の状態で直径10メートルの円を描く「巻き乗り」や、半円を描いて方向を変える「半巻き」といった回転運動では、曲がりたい方向の手綱を開きつつ外側の脚で馬を押し出す「内方開き手綱」の技術が審査されます。
また、速歩のペースを保ったまま馬場の角を直角に曲がる方向変換や、馬場を斜めに横切って進行方向を反転させる「斜め手前変換」なども求められます。
そして最終的に合否を決定づけるのが、軽速歩の「手前(馬の肢の動きに合わせて立つ・座るタイミング)」の正確な理解と、最大の難関である「駈歩の発進と維持」のクオリティです。
これらの項目を、部班という周りの動きに影響されやすい環境下で冷静にこなす精神力が必要となります。
乗馬ライセンス4級の経路図と練習法

実技試験では、規定のサイズに区切られた馬場内で、あらかじめ決められた「経路図」に沿って運動を順番通りに遂行しなければなりません。
試験本番で極度の緊張に襲われてパニックにならないためには、この経路図をどう頭に入れ、日々のレッスンでどのように練習の質を高めていくかが非常に重要になります。
経路図を覚える際、ただ紙の上で「A地点で曲がって、B地点で速歩を出して…」と丸暗記するだけの作業は全くおすすめしません。
実際の馬場の上に設置されたアルファベットの標記をイメージしながら、どこでどのような合図を出せば馬がスムーズに動いてくれるか、生体力学的なアプローチと馬術的な理屈をセットにして体で覚えることが合格への近道です。
例えば、速歩のスピードを保ったまま90度の直角に曲がる際、馬はどうしてもスピードが落ちて常歩になってしまったり、遠心力で外側に大きく膨らんだりしやすくなります。
これを未然に防ぐためには、コーナーの手前からあらかじめ外側の手綱と脚で馬の肩と腰をしっかりとブロックし、バランスを制御する準備をしておく必要があります。
常に次の運動への「準備」を意識できるようになれば、経路走行の安定感は飛躍的に向上します。

また、経路走行の中で審査員が特に厳しくチェックしているのが、ペースの変化である「歩度の移行(トランジション)」です。
停止状態から常歩へ、常歩から速歩へ、そして再び常歩、停止へと戻るという一連のペースの変化を、馬が口を割ったり反抗したりすることなく、いかにスムーズに行えるかが高く評価されます。
移行のタイミングで馬が頭を高く上げて嫌がるような素振りを見せるのは、乗り手が手綱を強く引っ張りすぎていたり、腰の座りが不安定である明確な証拠となってしまうため、大きな減点対象になります。
実技試験中に万が一落馬が発生した場合は、安全管理能力の不足とみなされ、いかなる理由があってもその時点で一発で失権となってしまいます。
乗馬は体重500キロを超える大きな動物を扱うスポーツであり、どれほど高度な練習を積んでも落馬による怪我のリスクがゼロになることは絶対にありません。
試験中であっても点数にとらわれた無理な操作は避け、常に安全を最優先に考えた騎乗を心がけてください。
もし健康面や安全面に少しでも不安を感じる場合は、無理をして受験せず、指導員や専門家にご相談の上で慎重に判断してください。
乗馬ライセンス4級の筆記試験の範囲

乗馬ライセンス4級を取得するためには、馬に上手に乗る実技だけでなく、馬という素晴らしい生物に対する深い理解を示すための「筆記試験」にも合格しなければなりません。
筆記試験と聞くと、学生時代のテストを思い出して拒否反応を示す方もいるかもしれませんが、出題範囲は明確に限定されているため、しっかりと対策を行えば決して恐れるものではありません。
出題範囲は大きく分けて5つのカテゴリーで構成されており、乗馬愛好家として知っておくべき基礎知識が網羅されています。
1つ目は「馬体の名称と部位」です。
人間でいうところのかかとや膝にあたる部分など、馬の体の各パーツの専門的な名前を、図解を見ながら正確に答える問題が出題されます。
2つ目は「馬具および手入れ道具の名称」です。
騎乗する際に使用する鞍(くら)や頭絡(とうらく)、ハミといった安全に関わる道具の名前だけでなく、蹄の裏の泥を取る裏掘り(てっぴ)やゴムブラシなど、馬を清潔にケアするための手入れ道具の名称と用途を一致させることが求められます。
3つ目は「馬の毛色と特徴」です。
赤茶色の栗毛(くりげ)や、歳をとるにつれて白くなる芦毛(あしげ)といったカラーバリエーションの識別や、顔にある白い模様(白斑)の名称が出題されます。
これは、何十頭もいるクラブの中で特定の馬を個体識別するために必須となる実用的な知識です。
4つ目は、技術的な側面に踏み込んだ「歩様と運動力学の基礎」です。
ここでは、常歩(4拍子)、速歩(2拍子)、駈歩(3拍子)という各歩様の肢の動く順番やリズムの違い、軽速歩のメカニズムに関する理論的な理解が問われます。
最後の5つ目は「馬の性質・表情・取り扱い」として、草食動物特有の広い視野や逃避本能のメカニズム、耳の向きによって感情(怒り、警戒、興味など)を読み取る知識など、安全に馬と接するための重要なルールが範囲に含まれます。
なお、ウエスタンスタイルでの受験を選択される場合は、ブリティッシュとは全く異なるカウボーイ文化を背景に持つため、馬具の名称がウエスタンサドル特有のものになったり、独自の専門用語が出題されたりしますので、必ず専用のテキストで対策を行ってください。
乗馬ライセンス4級の問題集の活用法

筆記試験を確実に突破するための最も効果的な学習戦略は、市販されている公式の問題集や、クラブで配布される専用テキストをベースにして、ひたすら反復学習を行うことです。
問題の難易度自体は決して理不尽なものではなく、テキストの内容を真面目に学習してしっかりと暗記すれば、誰でも確実に合格点に達することができるレベルに設定されています。
しかし、ここで多くの受験者がつまずき、テスト本番で冷や汗をかく原因となるのが、日常では全く使用されない「乗馬特有の専門用語」と「難読漢字」の存在です。
例えば、馬の首の付け根あたりを指す「鬐甲(きこう)」、後ろ足の重要な関節部分である「飛節(ひせつ)」、そして騎乗者が足を乗せるための金属製の道具である「鐙(あぶみ)」など、パソコンやスマートフォンの変換でもなかなか一発では出てこないような難しい漢字が多数登場します。
試験では、記号を選ぶだけの簡単な選択問題だけでなく、これらの難読漢字を実際にペンで用紙に「書かせる」問題が出題される可能性があります。
テキストをただ目で眺めて「読めるようになった」だけで満足してはいけません。
必ずノートを開いて、自分の手で何度もこれらの漢字を書いて練習する泥臭い覚え方が、本番で度忘れを防ぐための最も強力な武器となります。
また、机に向かってガリガリと勉強するだけでなく、実際の乗馬クラブでの時間を有効活用するのも非常に賢い実践的な学習法です。
実際の馬のお手入れ(ブラッシングや蹄の裏掘りなど)を行う際に、ただ漫然と作業するのではなく、心の中で部位や道具の名前を唱えながら行うと非常に効果的です。
「いま飛節を綺麗にブラッシングしているな」「これは裏掘りという道具だな」と意識することで、視覚や触覚の情報と用語がセットになって脳に刻み込まれ、記憶に深く定着しやすくなります。
出題範囲は限られているため、レッスン前後のちょっとした隙間時間を活用して仲間と問題を出し合うのも、楽しみながら知識を深める良い方法です。
乗馬ライセンス4級で参加できる外乗

筋肉痛に耐え、厳しい練習と審査を乗り越えて無事に乗馬ライセンス4級を取得したその先には、今までの馬場内でのレッスンとは全く異なる、驚くほど広大でワクワクする世界が待っています。
それが乗馬の醍醐味とも言える「ホーストレッキング(外乗)」の飛躍的なレベルアップです。
現在、日本全国の多くの乗馬クラブや観光牧場が、大自然の地形を馬と共に移動する魅力的な外乗ツアーを提供しています。
しかし、ライセンスを持たない旅行中の初心者や、5級保持者向けの体験ツアーでは、万が一の事故を防ぐ安全確保の観点から、馬の歩様はゆっくり歩く常歩(ウォーキング)のみ、あるいはごく短い距離での速歩に厳しく制限されていることが大半です。
足場の悪い不整地で馬が突然テンションを上げて走り出した際に、パニックにならずに馬を停止させられる技術の保証がないため、これは運営側として当然の措置と言えます。
しかし、4級ライセンスを取得し、「駈歩の発進と維持ができる」という客観的な技術の証明を提示することで、参加できる外乗ツアーのレベルが一変します。

どこまでも続く広大な草原、木漏れ日が美しい起伏に富んだ林道、あるいは波しぶきがあがる波打ち際の海岸線などを、馬の力強い鼓動を感じながら駈歩で疾走するスリリングなコースへの参加が堂々と解禁されるのです。
北海道の雄大な牧草地、秋田県の緑深い山麓、そして美しい海岸線を持つエリアなど、全国各地に4級以上の技術レベルを前提とした高度な外乗ツアーが多数用意されています。
人工的な柵のない大自然の中を、風を切って馬と共に駆け抜ける圧倒的な爽快感と一体感は、日常のストレスを完全に吹き飛ばしてくれる究極のレクリエーションです。
この感動を味わうことこそが、4級取得の最大のメリットであり、厳しい練習の苦労を補って余りある最高のご褒美となるはずです。
上達の壁にぶつかって挫折しそうになった時は、ぜひこの大自然を風のように走る自分の姿を想像して、モチベーションを再点火してみてください。
まとめ:乗馬ライセンス4級への挑戦

乗馬ライセンス4級は、単なる趣味の認定証やステータスシンボルを超えて、馬と真の意味で対話し、パートナーとして共に躍動できるようになるための非常に重要なステップです。
駈歩の習得という壁は決して低くなく、時には思い通りにいかないもどかしさに悔しい思いをすることもあるでしょう。
しかし、それに真っ向から挑戦する過程で得られる身体能力の向上や、馬と心が通じ合った瞬間の言葉にできない感動は、あなたの人生におけるかけがえのない財産となります。
また、この資格はさらなる高みを目指すための大切なハブの役割も果たしてくれます。
4級を取得して基礎を固めた後は、3級を目指すことで、さらにその先にある「馬場2級」や「障害3級」といった、特定の競技に特化した高度なライセンスへの道も開かれます。
自分の興味や適性に合わせて、美しさを極める馬場馬術に進むか、ダイナミックな障害飛越に進むかを選択できるのも、このレベルに到達したからこその特権です。
費用や必要な期間についてはクラブごとに異なるため、ご自身のライフスタイルに合った無理のないプランをしっかりと立てることが長続きの秘訣です。
安全面に常に最大限の配慮を払いながら、ぜひ楽しみながら乗馬ライセンス4級の取得を目指してみてください。
この記事が少しでも参考になり、あなたの週末の乗馬ライフがより豊かで、ワクワクする冒険に満ちたものになることを心から応援しています。
