
乗馬ライセンス3級を目指そうと決意して、まず気になるのが乗馬ライセンス3級の合格率ではないでしょうか。
ネットなどで検索すると合格率が9割を超えているというデータも出てきますが、その一方で実際の難易度が高く落ちる理由が気になったり、筆記試験の過去問の傾向はどうなっているのか、取得までの期間や必要な鞍数、そして費用面など、不安に感じることも多いと思います。
私自身も、馬術という生き物をパートナーにするスポーツの特性上、試験特有の緊張感や技術的な壁に直面する方々を数多く見てきました。
この記事では、私が乗馬クラブでの経験や見聞きしてきた情報を踏まえ、高い数字の裏にある本当の実態や、確実にステップアップするための具体的な対策について詳しくお話ししていきます。
- 高い合格率の背景にある事前の見極めと本当の難易度
- 実技の経路走行における駈歩コントロールの重要性
- 筆記試験で問われる馬学とJEF競技会規程の基礎知識
- 合格に向けた練習環境の選び方と適切な費用の考え方
乗馬ライセンス3級の合格率と実態
乗馬ライセンス3級の検定データを見ると、非常に多くの人が合格しているように見えます。
しかし、その数字だけを鵜呑みにするのは少し危険です。
ここでは、データに隠された真の難易度や、実技試験および筆記試験のリアルな実態について深掘りしていきます。
高い数字に隠された本当の難易度

90%超の合格率を生み出す「事前スクリーニング」
全国乗馬倶楽部振興協会によるデータなどを見ると、乗馬ライセンス3級の合格率は約90%という非常に高い水準で推移しています。(出典:公益社団法人 全国乗馬倶楽部振興協会『乗馬技能認定』)
これを見て「なんだ、ほとんどの人が受かる簡単な試験じゃないか」と安心する方もいるかもしれません。
しかし、実はこの数字には乗馬というスポーツ特有のカラクリが存在します。
乗馬クラブにおけるライセンス試験は、一般的な資格試験のように誰もが自由に申し込めるわけではありません
普段からレッスンを担当している専属のインストラクターが、数ヶ月から年単位にわたる長期間の観察を通じて「この生徒なら確実に合格基準に達している」と判断し、受験の許可を出して初めて試験に挑めるシステムが一般的だからです。
つまり、合格率90%というのは「試験の課題自体が簡単だから」ではなく、「事前の練習で完璧に仕上がった人だけが受験しているから」という理由が極めて大きいのです。
クラブ側も、生徒に危険な思いや挫折感を味わわせないよう、慎重に見極めを行っています。
本番のプレッシャーと生き物を扱う不確実性

逆に言えば、指導員の厳格な見極めを経ているにもかかわらず、本番の試験で約10%の方が不合格になってしまうという事実こそが、3級ライセンスの本当の難易度を如実に物語っています。
乗馬は自転車や車とは異なり、独自の感情と意思を持った「馬」という生き物をコントロールするスポーツです。
本番特有の張り詰めた空気や、審査員に見られているというプレッシャーは、騎乗者の筋肉を無意識のうちに硬直させます。
そして、その微細な緊張感は手綱や鞍を通じて瞬時に馬へと伝播します。
「いつもなら素直に動いてくれる馬が、試験本番に限って全く言うことを聞いてくれない」といった事態は決して珍しくありません。
日常の練習では完璧にこなせていた動作が突如として機能しなくなるリスクは、どれほど技術が向上しても完全に排除することはできないのです。
この不確実性への対応力こそが、3級に求められる真のハードルだと言えます。
実技で落ちる原因となる経路のミス

鬼門となる「駈歩のコントロール」と前駆重心
実技試験では、20m×40mなどの定められた馬場内に設置された標示文字(A, K, E, H, C, M, B, Fなど)に従って、決められた歩法と図形を描く「経路走行」が求められます。
ここで不合格の直接的なトリガーとなりやすいのが、連鎖的なミスです。
特に多くの方が壁を感じ、実技で落ちる原因のトップに挙げられるのが「駈歩(かけあし)のコントロール喪失」です。
駈歩は3節の歩様であり、常歩や速歩と比べてスピードが速く、馬の背の反動も前後・上下に大きく波打ちます。
そのため、騎乗者のバランスが最も崩れやすい状態となります。
パニックによる手綱の引っ張りが致命傷に
経路試験中に駈歩で行進する際、試験の緊張から馬がテンションを上げてスピードが速くなりすぎる現象が頻発します。
スピードが速くなると馬の重心が前肢にのめり込み(前駆重心)、手綱によるブレーキが全く効かなくなります。
ここで慌てて力任せに手綱を引っ張ると、馬は口の痛みに反抗してさらに加速したり、急停止して落馬の危険を引き起こしたりします。
大木(横木)通過と下方移行での精度の甘さ

また、経路内に設定された「大木(横木)通過」も失敗しやすいポイントとして有名です。
地面に置かれた丸太などの障害物を跨ぐ際、本来であれば馬は自身の判断で足元の距離を測り、スムーズに通過することができます。
しかし、受験者が「絶対に失敗してはならない」と過度に意識し、馬に対して強すぎる脚の推進を与えすぎると、馬はそれを「飛越の合図だ」と勘違いして慌てて歩幅を乱し、横木を蹴飛ばしてしまいます。
さらに、駈歩から速歩、速歩から常歩へペースを落とす「下方移行」の精度も合否を分けます。
指定された地点(例えば馬場の真ん中のX点など)で正確に歩法を落とすことができず、ダラダラと数メートル先まで前の歩法が続いてしまうケースは、明確な減点対象となり、結果的に合格ラインを下回る大きな要因となります。
筆記試験の過去問傾向と必要な馬学

「乗る」だけでなく「理解する」ための馬学知識
実技試験の難易度にばかり目が行きがちですが、筆記試験への対策も絶対に怠ってはなりません。
5級や4級の筆記試験が、基本的な馬の扱い方やクラブ内での安全対策に関する内容に留まっていたのに対し、3級からはより本格的で学術的な「馬学」の知識が深く問われるようになります。
これは、3級が「スポーツとしての馬術の入り口」として位置づけられており、馬を単なる乗り物ではなく、意思を持ったパートナーとして深く理解することが求められるからです。
| 出題ジャンル | 主な内容と求められる知識レベル |
|---|---|
| 馬学の基礎 | 馬の品種ごとの特性、性質・行動様式、耳や眼の動きなど表情による感情の読み取り |
| 個体識別 | 毛色(鹿毛、栗毛、芦毛、青毛など)や、顔の白斑(星、流星、作など)の正確な識別 |
| 生体力学 | 常歩(4節)や速歩(2節)、駈歩(3節)の運動メカニズムと、反動の吸収方法 |
| 競技会規程 | JEF(日本馬術連盟)規則に基づくアリーナ内の優先権、服装ルール、反則・失権の定義 |
過去問から読み解く実践的な学習のポイント

過去問の傾向を見ても、単なる用語の丸暗記ではなく「なぜその動作が必要なのか」「なぜそのルールが存在するのか」という理屈の理解が求められる設問が増加しています。
例えば、馬の耳の傾きや眼の動きから恐怖心や反抗心を瞬時に察知する能力は、騎乗中の事故を未然に防ぐための第一防衛線として重要視されています。
また、常歩や速歩の生体力学(バイオメカニクス)を理解することは、自身の騎乗姿勢を理論的に修正するための基盤となります。
さらに、将来的に公式な馬場馬術競技や障害飛越競技へ出場することを前提としたJEF競技会規程からの出題も必須です。
アリーナ内でのすれ違い方のマナーや、どのような行為が経路違反になるのかといった法規的知識は、テキストを繰り返し読み込んで完璧に頭に入れておく必要があります。
取得に向けた期間と目安となる鞍数
4級までのペースとは異なる「3級の壁」
乗馬ライセンス3級を取得するまでに、一体どれくらいの期間や鞍数(騎乗回数)が必要になるのかは、多くの方が最も気にされるポイントの一つです。
個人の運動能力や年齢、そして乗馬クラブに通える頻度によって進度は大きく異なるため一概には言えませんが、一般的な目安を知っておくことは、途中で挫折しないためのモチベーション維持に非常に役立ちます。
まず覚悟しておきたいのは、初心者からスタートして5級・4級までを順調にストレートでクリアした方であっても、3級の試験項目である「駈歩の継続」や「正確な経路走行」という壁にぶつかると、一気に進捗がスローダウンする傾向があるということです。
4級取得後、3級のレベルに到達するまでには、数十鞍から、場合によっては100鞍以上の追加練習が必要になることも珍しくありません。
期間にすると、週に1回のペースで定期的に通い続けて、半年から1年程度がひとつの目安となるでしょう。
これらの数値データは個人の進度やクラブのカリキュラムによって大きく変わります。
正確な情報やご自身の現状に対する最終的な判断は、必ず所属する乗馬クラブのインストラクターなどの専門家にご相談ください。
筋肉の記憶と通う頻度の重要性

なぜこれほどの時間がかかるのかというと、3級からは「馬についていく」のではなく、「自分の意思で馬を動かし、コントロールする」という全く次元の異なる技術が求められるからです。
特に駈歩の反動に耐えうる体幹の筋力や、無意識のうちに適切なタイミングで手綱や脚を使えるようになる「筋肉の記憶(マッスルメモリー)」を養うには、どうしても一定の反復練習が不可欠です。
月に1回程度のペースでは、せっかく体が覚えた感覚を次回のレッスンまでに忘れてしまうため、可能であれば週1回から2回など、間隔を空けずに集中的に騎乗する期間を設けることが、結果的に取得までの期間を短縮する近道となります。
焦らず、ご自身のペースで着実に基礎を固めていくことが何より大切です。
駈歩のコントロールによる実技対策

絶対的セオリーである「外方の手綱」の活用
実技試験において最大の難関であり、合否を分けるポイントとなる駈歩のコントロール。
これをマスターするための極意は、精神論や気合いではなく「物理的・生体力学的なアプローチ」を身体に染み込ませることにあります。その絶対的な基本原則が「外方の手綱(がいほうのたづな)」の有効活用です。
初心者のうちは、馬がスピードを上げて暴走しそうになると、どうしても馬場の内側(自分の利き手側が多い)の手綱を強く引いて曲げようとしてしまいます。しかし、これは逆効果です。
スピードの速い駈歩になってしまったときこそ、慌てずに馬場の外側に位置する手綱をしっかりと保持し、馬の肩が外に逃げていくのを壁のように防ぐ意識が求められます。
推進を伴ったブレーキと「随伴」の感覚

外方の手綱で壁を作りつつ、同時にご自身の上体(バランス)を後ろにしっかりと起こします。
そして、ただブレーキをかけるだけでなく、脚(きゃく)を使って馬の後肢を踏み込ませる(推進力を与える)ことで、馬のエネルギーを後肢にため込み、スピードを抑えつつも弾むような質の高い駈歩(収縮した駈歩)を作り出すことができます。
また、横木通過の実技対策としては、「馬のリズムの尊重」と「馬に任せる意識」が不可欠です。
横木の手前で自分がコントロールできる適切なペースを作れたら、通過する瞬間は決して乗り手から仕掛けず、馬と一緒に動く(随伴する)イメージを持ちましょう。
乗り手が余計な動きでバランスを崩さなければ、馬は自分自身の眼でしっかりと距離を測り、スムーズに跨いでくれます。
常に数メートル先を見据え、呼吸を止めずにリラックスすることが最大の対策となります。
乗馬ライセンス3級の合格率を高める戦略
ここからは、現在レッスンに通っていて技術の伸び悩みを感じている方が、乗馬ライセンス3級の合格率をさらに引き上げ、確実にステップアップするための戦略的なアプローチについて解説します。
時には、ご自身の努力だけでなく、練習環境の見直しや適切な自己投資が、合格への一番の近道となることもあります。
取得にかかる費用と投資の考え方
ダラダラと続けるレッスン費用の罠
3級の壁にぶつかり、合格の見極めがなかなかもらえずにレッスンを何度も追加していくと、当初想定していた以上の費用がかかってしまうことに悩む方は非常に多いです。
ライセンス取得にかかるトータル費用は、1回ごとの騎乗料だけでなく、馬のレンタル料(借馬料)、指導料、試験本番の受験料、テキスト代、さらにはクラブへ通うための交通費まで、総合的に計算する必要があります。
例えば、1回のレッスンが5,000円だとしても、上達の糸口が見えないまま50鞍、100鞍と追加していけば、あっという間に数十万円の出費となってしまいます。
乗馬クラブによっては、「3級ライセンス取得コース」として、講習料や騎乗料、受験料など全て込みで15万円〜20万円前後といった明確なパッケージプランを提供している場合があります。
費用に関する情報はあくまで一般的な目安であり、地域や時期、クラブの料金体系によって大きく変動します。
実際の金額やコース内容については、必ず各クラブの公式サイトで最新情報を確認し、最終的な判断は専門家にご相談ください。
時間を買い、確実性を高める集中プラン

一見すると「15万円」といったパッケージ料金は大きな初期費用に思えるかもしれません。
しかし、明確な目標設定もなくダラダラとグループレッスンを続けてモチベーションを低下させてしまうよりは、短期集中的に試験対策に特化したカリキュラムへ投資する方が、結果的に時間もトータルの費用も節約できるケースが圧倒的に多いのです。
試験本番と同じ馬場で、試験と同じ経路を反復練習できる環境が保証されているプランであれば、精神的な不安も大きく軽減され、合格率は飛躍的に高まります。
「どうしても3級の壁を越えられない」と悩んでいる方は、こうしたパッケージプランへの乗り換えも立派な戦略の一つです。
確実に合格できる乗馬クラブの選び方

「部班レッスン」の限界と真のコントロール技術
乗馬クラブの指導スタイルや方針も、合格に直結する極めて重要な要素です。
多くの一般的な乗馬クラブでは、1人のインストラクターに対して複数人の生徒が同時に馬場に出る「部班(ぶはん)レッスン」という形式が採用されています。
部班レッスンは、他の会員と交流できたり、1回あたりの費用を安く抑えられたりするメリットがあります。
しかし、馬には「前を走る馬に付いていく(群れをなす)」という強い習性があるため、部班の列の中で走っているうちは、実は騎乗者が正しく合図を出せていなくても、馬が勝手に前の馬に合わせて動いてしまうことが多々あります。
これでは、3級で求められる「自分自身で経路を描き、独立して馬をコントロールする技術」はなかなか育ちません。
体験レッスンで見極めるべき指導の質
3級の緻密な操作を身につけるためには、ご自身の癖や弱点にしっかり向き合い、的確なアドバイスをくれる指導力の高いインストラクターが在籍しているクラブを選ぶことが必須条件となります。
もし現在のクラブで「前の馬についていくだけの練習」しかできていないと感じるなら、環境を変える時期かもしれません。
新しいクラブを検討する際は、必ず入会前に体験レッスンを受講することをおすすめします。
その際、クラブの設備だけでなく、「馬たちがリラックスして健康そうか(スクールホースの質)」「インストラクターが感覚的な言葉だけでなく、論理的に体の使い方を説明してくれるか」をしっかりと観察してください。
質の高い馬と指導者の存在は、何物にも代えがたい合格への推進力となります。
マンツーマン指導で技術の壁を越える

一対一だからこそ見抜ける「ミリ単位のエラー」
もし現在、駈歩の継続や経路走行の図形が正確に描けず、技術的な限界を感じて立ち止まっているのなら、マンツーマンでの個人レッスン(プライベートレッスン)に切り替えることを強くおすすめします。
集団指導の枠組みの中では、インストラクターは全体の安全管理に気を配らなければならないため、生徒一人ひとりの細かな姿勢の崩れまで常に監視し続けることは物理的に不可能です。
しかし、3級で求められる「外方の手綱の緻密なコンタクト」や「正確な下方移行のタイミング」は、騎乗者の骨格、筋力、そして恐怖心からくる無意識の癖によって、指導すべきアプローチがまったく異なります。
マンツーマンレッスンであれば、経験豊富なインストラクターがあなたの姿勢の歪みや、脚を使うタイミングのズレをミリ単位で見抜き、即座に修正してくれます。
「なぜ今、馬が駈歩をやめてしまったのか」を、あなたの体の動きと馬の反応を直接紐づけて論理的に解説してくれるため、頭での理解と体感が見事に一致する瞬間が必ず訪れます。
自信喪失からの脱却と費用対効果
「自分にはセンスがないのではないか」と自信を失いかけていた方でも、つきっきりで丁寧な指導を受けることで、たった数鞍のプライベートレッスンで一気に上達のきっかけ(ブレイクスルー)を掴むことは決して珍しくありません。
個人レッスンは1鞍あたりの単価こそ高くなりますが、何十鞍も無駄な練習を重ねるより圧倒的に密度が濃いため、停滞した「時間を買う(上達までの時間を短縮する)」という意味で、非常に費用対効果の高い優れた投資だと言えるでしょう。
送迎付きの環境で万全の準備を整える

アクセスの悪さが引き起こす「見えない疲労」
クラブ選びや試験対策において、意外と盲点になりがちなのが「乗馬クラブへのアクセス環境」です。
乗馬クラブは、広大な馬場や厩舎、そして馬の飼料を保管するための広大な土地を必要とする性質上、どうしても都市部から離れた郊外や山間部に位置していることがほとんどです。
そのため、自宅から片道1時間半や2時間かけて車を運転したり、複雑な公共交通機関を何度も乗り継いだりして通っている方も多いでしょう。
しかし、この長時間の移動は、騎乗前の体に「見えない疲労」を蓄積させます。
特に長時間の運転は、股関節周りや腰の筋肉を硬直させ、騎乗時の柔軟な随伴(馬の動きに合わせる動き)を著しく阻害し、パフォーマンスの低下に直結するのです。
無料送迎バスがもたらすコンディション維持効果
特に実技試験の本番では、心身ともに極限までリラックスした状態で馬場に立つことが合格の最大の鍵となります。
そこで、都市部のターミナル駅などから「無料送迎バス」を出している乗馬クラブを選ぶのが非常に賢い選択となります。
自分で運転する必要がないため、移動中の肉体的な疲労を最小限に抑えることができます。
さらに、バスに揺られている時間を活用して、その日のレッスンの目標を頭の中でシミュレーションしたり、筆記試験のテキストを落ち着いて復習したりする有意義な時間に変えることができます。
最高のコンディションで馬と向き合い、持てる実力を100%発揮するための「インフラ選び」も、立派な試験対策のひとつとして重要視すべきポイントです。
まとめ:乗馬ライセンス3級の合格率

ここまで、乗馬ライセンス3級の合格率の裏側にある真実と、実技・筆記における具体的な難易度、そして壁を乗り越えるための戦略的なアプローチについて詳しくお話ししてきました。
データ上の90.8%という圧倒的な合格率は、決して試験そのものが簡単であることを意味するものではありません。
それは、各クラブにおける厳格なスクリーニング体制と、本番に至るまでの受験者の血の滲むような反復練習、そして指導者との二人三脚による弛まぬ努力の結晶であることをご理解いただけたかと思います。
実技試験で最もつまずきやすい駈歩の暴走やコントロール喪失、そして筆記試験で求められる本格的な馬学の知識は、小手先のテクニックや一朝一夕の丸暗記で身につくものではありません。
馬の動きに逆らおうとする人間の防衛本能を克服し、馬のリズムと同調すること。外方の手綱や脚の正しい使い方を論理的に理解し、馬を意思を持った「パートナー」として尊重する姿勢を持てば、必ず道は開けます。
もし現状の練習環境で技術的な伸び悩みを感じているのであれば、思い切ってマンツーマン指導を受けられる環境や、効率的に集中できるパッケージプランへの投資を検討してみてください。
乗馬ライセンス3級の取得過程で得た「独立して馬をコントロールする感覚」は、将来的に障害飛越競技や高度な馬場馬術へとステップアップしていくための、決して色褪せることのない一生の財産となります。
合格率という数字に一喜一憂するのではなく、安全で豊かな乗馬ライフへの確固たるステップを踏み出していきましょう。
この記事が、あなたの次なる挑戦を後押しするヒントになれば幸いです。

